有名人の方のがん報道で乳がん検診の希望者が急増しています。
どの検査を受ければいいかわからないという方が多いので、ここで少しおさらいを。
まず、厚生労働省の方針です。
1)検診方法
○ マンモグラフィによる検診を原則とする。
○ 視触診については死亡率減少効果が十分ではなく、精度管理の問題もあることか ら推奨しない。仮に視触診を実施する場合は、マンモグラフィと併用することとす る。
○ 超音波検査については、特に高濃度乳腺の者に対して、マンモグラフィと併用し た場合、マンモグラフィ単独検査に比べて感度及びがん発見率が優れているという 研究結果が得られており、将来的に対策型検診として導入される可能性がある。し かしながら、死亡率減少効果や検診の実施体制、特異度が低下するといった不利益 を最小化するための対策等について、引き続き検証していく必要がある。
2)対象年齢 ○ 40 歳以上とする。
3)検診間隔 ○ 2年に1度とする。
2年に1回のマンモグラフィで大丈夫?と思いますが、公費を使って行う健診ではできるだけ少ない費用で死亡率を下げるというのが目標ですので、これが一番費用対効果が高いということになります。
ただ、健保の健診でエコーも選べる方、自費でもいいからいろいろ検査を受けたい方などにお勧めする検査としては、上記の方針とやや違ってきます。
当院の技師が行った調査によると、マンモグラフィのみの健診は50歳未満のかたに対しては見逃しのリスクが確実にあるということがわかりました。(実際に見逃されたわけではなく、50歳未満の乳がんの方でマンモグラフィでは特に所見のない方が存在したということです)
それらより、当院でのお勧めする検査としては(一般的には)
50歳以上は基本的にマンモグラフィ(必要に応じエコーも)
40代はできればマンモグラフィ+エコー
30代はエコー(必要に応じてマンモグラフィも必要な場合有)
ということになります。(できれば年1回)
ご参考になれば。
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